●ヴァーミリオン(硫化水銀)
ヴァーミリオン(朱色)は乾性と湿性の2つの方法で作られる。
乾性は硫黄と水銀を弱火で融かす方法で支那朱と呼ばれる。
湿性は水銀、硫黄、苛性カリ溶液を用いる。
この色の乾燥性は優れているが、光に当たると黒変する。
恒久ヴァーミリオンと名付けられた物も同様である。
シルバーホワイトとの混色は避けること。
辰砂(天然硫化水銀)
昔の人が使った硫化水銀は、天然のヴァーミリオンであったが、これは昔も今もイタリアのある採掘地から採れる。
天然の硫化水銀によるこの朱色が現在までよく残っているのは絵の具の用い方が良いの為である。
中世の画家は、常にヴァーミリオン(天然硫化水銀)を樹脂を含んだニスで他の絵の具から隔離している。さらに光の直接的な影響を上からガランス(茜色)をグラッシして防いでいる。
天然硫化水銀は直接日光にある時間晒すと、人工ヴァーミリオンと同様に黒ずむ。
天然でも人工でもヴァーミリオンは色調の鮮やかさに利点が見られるが、光による褪色性と、混色の注意が必要なため、安定したカドニウム系の赤色を薦められる。