●コンデジの閉塞感
今日本では、何回目かのカメラブームが巻き起こっている。これまでの主役はコンパクトデジカメであったが、ニコンの「D40」がきっかけとなり、これまでハイエンドに位置していたデジタル一眼が一気にメインストリームに躍り出た。老舗カメラメーカーがしのぎを削るデジタル一眼は、まだまだやることが沢山ある。撮像面積にしても、現状のAPS-Cやフォーサーズで十分かという大問題を始め、ライブビューの是非、そして小型化はともかくも軽量化は女性ユーザー拡大には重要な要素だ。
一方でコンパクトデジカメの煮詰まり具合は、相当深刻のように思えてならない。高画素競争もついに1000万画素に到達したわけだが、親指の先ほどもないレンズでそれだけの高解像度を撮ることに、どこまでの意味があるのか。ビデオカメラの世界ではハイビジョン化が進行しているが、これは200万画素程度である。それでもまだまだレンズがキビシイなぁと思う。デジカメでこれに気付かないのは、ピクセルバイピクセルの等倍で見る機会がないからである。
先日発表されたキヤノン「IXY DIGITAL 810 IS」に搭載された「ファンタジーナイトモード」は、手ブレ補正領域を利用して絵を描くという。写真がもはや現実を写すものではないというのは、写真の進化として捉えるべきなのか悩ましいところだ。ましてやパナソニック「DMC-TZ3」の「きみまろズーム」に至っては、もはやコピーからなんの機能的特徴も読み取ることができない。これを煮詰まっていると言わずに、何と言おうか。
古くて新しい、リコーGRシリーズ
今年3月に発表された「J.D. パワー アジア・パシフィック 2007年日本デジタルカメラ顧客満足度調査」によれば、現在デジタルカメラの顧客満足度は、実に7割近くまで達している。この調査結果で興味深いのは、全部門中でもっとも高得点の708ポイントをたたき出したのが、リコーの「GR DIGITAL」であるところだ。
GR DIGITALと言えば、2005年10月に発売されたモデルである。生き馬の目を抜くコンパクトデジカメ業界において、満足度のトップが2年前のカメラということは、他社がこの2年間にやってきた方向性は、実は間違っていたということなのではないか。
不満点がなければ改良点がない。筆者はこの状況を「満足の迷宮」と呼びたい。コンパクトデジカメのメーカーで、この迷宮にいないのはおそらくリコーだけではないか。デジカメ黎明期には一時低迷した同社だが、常に他社がやらないことをやってきた印象がある。
飽和するコンパクトデジカメ、脱却の糸口を探す 小寺信良より抜粋
この記事は私自身、ここ数年感じてきた閉塞感を見事に表している。
昨年までCONTAX Tvs Dagitalという4年前のデジカメを使用していたが、画質の面でもこれで十分だと思っていた。
このカメラは未だに人気が高く、中古市場でも4~5万円台で取引されている。
4年以上前のデジカメにもかかわらずである。
それは単なるブランド志向だけでなく、たとえば
「CONTAX Tvs-Digitalで撮るドイツの情景。」
等の優れたブログをみればその画質の良さが分かるだろう。
しかし今年に入って私はメインカメラを換えている。
Exifデータを見ていただければ分かるとおり、リコーの「GR DIGITAL」にした。
CONTAX Tvs Dagitalを友人のたっての願いで譲ってしまったことと、GR DIGITALにはRAW出力ができるので是非それで撮ってみたかったからだ。
RAWで撮り、あとで現像する楽しみはあるし、マクロ撮影でフォーカスポイントの任意の移動や、完全マニュアル撮影ができたりとそれなりの進化が認められるものの、CONTAXのクセがあるけどコッテリとした色乗りの良い写りから決定的にアップしているかというとちょっと疑問である。
(もっともCONTAX Tvs Dagital 138000円 → GR DIGITAL 79800円 で安くて同等の画質が得られるようになったことは進化といえるかもしれない)
画質の面では2年はおろかそれ以上の期間でほとんど進化していないのでは?と私には思える。
かといって、やたらデカくて重たい一眼レフデジに換えようという気は更々起こらない。
デジタルだからこそブレークスルーで小型高品質を望みたい。