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2009年08月22日

●SMOKE

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監督:ウェイン・ワン

製作:ピーター・ニューマン/グレッグ・ジョンソン/堀越謙三/黒岩久美

製作総指揮:ボブ・ワインスタイン/ハーヴェイ・ワインスタイン/井関惺

原作/脚本:ポール・オースター

撮影:アダム・ホレンダー

音楽:レイチェル・ポートマン

美術:カリナ・イワノフ

編集:メイジー・ホイ

『スモーク』(Smoke)は、1995年公開の映画。アメリカ、日本、ドイツ合作。製作会社はミラマックスで、監督はウェイン・ワン。原作で ある『オーギー・レンのクリスマス・ストーリー』を書き下ろしたアメリカの作家、ポール・オースターは映画化に際し脚本も担当。主演はハーヴェイ・カイテ ル、ウィリアム・ハート。第45回ベルリン国際映画祭特別銀熊賞受賞作品。

ブルックリンの街角で小さな煙草屋を営むオーギー・レンは、10年以上毎日同じ時刻の同じ場所で写真を撮影していた。煙草屋の常連で、オーギーの 親友でもあるポール・ベンジャミンは作家であるが数年前に銀行強盗の流れ弾で妻を亡くして以来仕事が手につかず悩んでいた。ポールが道端をボンヤリと歩 き、危うく自動車に轢かれそうになったところ、一人の少年が彼を助け出した。ラシードと名乗るその少年に感謝したポールは彼を自分の家に泊めてやる。2晩 泊まった後にラシードは家を出て行ったがその数日後にラシードの叔母を名乗る女性が現れた。ラシードの本名はトーマス・コールといい、偽名を使って各地を 転々としていたのだ。その頃トーマスは生き別れた父親のサイラスに会いに、サイラスが営むガソリンスタンドを訪れた。そこでトーマスは以前世話になった ポールの名前を偽名として用い、アルバイトしてサイラスの下で働くこととなった。後日、トーマスはポールの元を再訪。ポールは先日トーマスの叔母が自分の 元を訪れた経緯を述べ、「ラシード」に本名を問い詰めるのであった・・・


これもとても好きな映画。

何かしらの陰のある登場人物による5つのオムニバスが連なり、それぞれの重いテーマが、淡々と静かに流れて次のエピソードへと繋がってゆく。

ただ、映画の冒頭での「たばこの煙の重さを量る方法」の話がこの物語全体に掛かるように、最後のオーギーの回想エピソードも、たぶん真実ではないのだろう。(台詞の中で簡単にそれと解るような仕掛けが幾つも散りばれられている)
でも、もしそれが人を癒したり慰めたりするならば、作者の願いや希望はそこにあるように思われる。

とはいえ嘘っぽい派手さもなく、脚本の良さと豪華キャストの底力でじっくりと魅せてくれて、最後にシンと心に残る。

脚本の中の細かい台詞は出演者たちによって即興的に書かれたという。
それがまた、そのシーンでの自然な流れを醸し出しているのかもしれない。

オーギー・レン役のハーヴェイ・カイテル は「パルプ・フィクション」のウルフ役で出演していた。
ちょっとしたアクセント程度の出番しかなかったが、同映画で印象に残る一番好きなキャラクターである。

そんなハーヴェイ・カイテルとウィリアム・ハートのやりとりがこの映画の重要な芯を形作っている。

映画のラスト

ポール「嘘がうまいのも才能だな。勘どころを心得てて面白い話に仕立てる。君は大ベテランだよ。」

オーギー「どういうことだ?」

ポール「つまり、すばらしい話だ!」

オーギー「秘密を分かち合えない友達なんて、友達と言えるか?」

ポール「その通りだ。それが生きてることの価値だ。」

とのやり取りの後、ポールはオーギーの話をもとに「オーギー・レンのクリスマスストーリー」をタイプし始める。

画面はモノクロの映像へ、トム・ウェイツの 「Innocent When You Dream」 の流れる中、オーギーの話をなぞる形で盲目の老婆との回想シーンとともにエンドクレジット。

最後まで自然に流れるように魅せてくれる。

最後に驚愕の事実。
父親役のフォレスト・ウィテカーと息子役のハロルド・ペリノー・Jrとの年齢差は7歳である。