今の会社に入る少し前に、短期間契約で勤めに出ていた。
なんせ6年ぶりの勤めに出るので、いささか不安があったから軽くウォーミングアップのつもりだった。
仕事は開発中の新型OA機器のテスティングだった。
工場特有の朝早くからきっちり時間の決まった内容で、毎朝、5時起きで8時には出社していた。
その分、16時51分といういささか変な時間にきっちりと仕事が終わるし、仕事中も決まった時間に休憩が入った。
まぁ人間がいかに効率的に作業を行えるか、試行錯誤を繰り返した結果のシスマティックな時間割なので、作業する方としては心地よさすら感じるくらいの流れである。
実際にキリキリ仕事するわけではなく、「もうちょっとできるくらいかな」という少し余裕を残すあたりで終わるので、疲れも蓄積されない。
そのへん本当に感心するほどであった。
2週間ほどの勤めだったが、当初の不安とは裏腹に毎日きっちりと目覚めて元気に勤めに出ていた。
仕事の仲間ともすぐにうち解けて休み時間などに雑談をしたり結構楽しくやっていた。
毎日、決められた時間帯できっちり仕事することはむしろ健康にも良さそうで、こういう生活でも良いかなぁと正直思った。
ただ、ニュースでは良く耳にしていたが社会の二極化が進んでいるという実感を肌に感じることがしばしばあった。
実際には口には出さないものの正社員と私のような臨時雇用にはヒエラルキーの薄い膜のような物が存在する。
仕事の適性が合わない人は次の日から姿の見えなくなった。
もちろん水準を保っていればクビにならないが、かといって、それ以上の能力を発揮しても何も変わらない。
結局、予定通りの時間に予定の仕事を上げる事が望まれているだけなのである。
そしてなによりも都合によっていつでも解雇できる雇用を望んでいるだけなのである。
そういう事を目にするにつれて、やはり、しっかりと自分の能力を発揮できて、足場をしっかり固められるそういう環境が大事だとつくづく思った。
幸い、私の場合は第一志望の会社に比較的すんなりと入れたので良かった。
今の職場は毎日終電近くだけど、出勤は12時まででOKというおおらかなところなので、夜型にならないように、毎日の家事などはもっぱら午前中にやってしまうようにしている。
努力したり、スキルを磨いたらちゃんと反映されるので、やりがいがあるというものだ。
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