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オペラ座の怪人

今日ニュースで流れていたがミュージカル「オペラ座の怪人」が、このほど「キャッツ」を抜いて、ブロードウェイのロングラン記録を更新したという。

以下は記事の抜き出し。

18年前に公演が始まった「オペラ座の怪人」。パリのオペラ座の地下に住む怪人が、ソプラノ歌手、クリスティーヌをスターに育て上げるというストーリー。これまでの観客動員数は1100万人。興行収入もブロードウェイ史上最高の、およそ6億ドルを稼ぎ出す大ヒット作となりました。
これからブロードウェイの記録を塗り替える7486回目の公演が始まるところです。
「こんなに長くヒットするとは思いもしませんでした」(作曲者、アンドリュー・ロイド・ウェバー氏)
なぜ「オペラ座の怪人」だけがこれほどの人気を集めるのでしょうか。映画やDVDの販売を組み合わせた広告戦略の巧みさを指摘する声もありますが、実は2度3度と劇場に足を運ぶリピーターの存在が、この記録を支えているのかもしれません。

思えば私が最初に観に行ったときからもう18年も経っているのね・・・。
リピーターがロングラン記録の要因の一つとの指摘があるが、それはとても納得がゆく。

なぜなら私自身、のべ3回ほど観に行っているからだ。
本当は数年前に4回目を見に行きたかったのだが、ブロードウェイと違って、常に上演されている演目ではなく、その時は「美女と野獣」だったのでそちらを観に行った。
しかし、これは1回見に行けばもう十分だと思えたし、「美女と野獣」にかぎらず「レ・ミゼラブル」や「キャッツ」その他多くのミュージカルも誘われれば2度目を見に行くけど、自ら見に行く気にはならなかったので、やはり「オペラ座の怪人」は作品そのものに魅力があるのだろう。

昨年公開された映画版「オペラ座の怪人」はミュージカル舞台の雰囲気を忠実に再現しているし、役者も良いし、とても良い出来だったけど、いささか時機を逸した感は否めない。
18年前に映画が作られていたらクリスティーヌ役にはサラ・ブライトマンが抜擢されて美声を聴かせてくれたことだろう。
ロンドンオリジナルキャストを堪能したくても現地までゆけない私のような者にとっては至福の作品になったに違いない。
それでも、やはり撮影されて時間を隔てた映画は劇場の生で感じる迫力には遠く及ばないんだけどね。

過去の記録を紐解くと、1988年6月に日比谷の帝国劇場で1回、次の年の5月に1回、さらに翌年の9月に新橋演舞場1回と計3回に観に行っている。
最初に観たときの衝撃が強かったので、ロンドンオリジナルキャストのレコードと、劇団四季の市村版のCDを買ってしばらくはそれを聴いていた。

若い頃に聴いた音楽は一生、耳に焼き付いてしまうものだし、数少ないCDを何度も何度も繰り返しかけていた物だから、もうそれで頭にすり込まれちゃって、市村正親の怪人役で「怪人の声とは、こうあるべきだ。」という基準が頭の中にできあがっちゃった感じだ。

それで最初の2回はまだ劇団四季に市村さんがいて、怪人役をやっていたんだけど、最後の1回は退団して、いままでラウル役だった山口祐一郎さんが怪人役になったので、だいぶ違和感を感じて、「さすがにもういいかな?」って感じで止めてしまった。

何にしてもそうだけど頭の中で一度基準が出来てしまった物はあとで崩すのがとても難しい。
しかも10代の頃に衝撃を受けて骨の髄まで感化される感覚って年を取ると、なかなかというか、滅多にというか、むしろ全然無い。
一度そういう風に骨の髄に刻み込まれた物だからちょっとやそっとでは揺るがないんだけど、逆にそれが頑固につながるとしたら考え物だ。
新しい物でも感受性豊かに感動できる柔らかい頭を持ちたいと思うこの頃だ。

それにしても一度で良いから当時のロンドンオリジナルキャストを生で観てみたいな。

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