この週末に上野の東京芸術大学構内で開催されている「バウハウス・デッサウ展」に行ってきた。
デザインの教科書に載っている家具や什器、備品の数々が実際に目にできる機会として貴重な機会である。
東京芸術大学へはひさしぶりの訪問である。
受験の頃は毎年訪れていたもので、懐かしい反面、以前と比べて今回の展示会のように一般に開かれたキャンパスというイメージでちょっと驚いた。
なんでもデザイン課はすでに上野に無く、ほかに移ったらしい。
とはいえ受験に目にしていた構内のロダン作 バルザック像や 彫刻棟にあった鬼瓦(場所が移動されていたけど)などを見て懐かしい気分になった。
バウハウスでは建築から大きくデザインをとらえて、細かな什器備品に至るまで落とし込むデザイン手法をとっており、建物を含めた空間に配置する時にそれらの家具や什器は映える(マッチする)ようにデザインされている。
従って個々の備品のデザインを見ると非常にシンプルで、そういう意味で現在のモダンデザインにも通じている。
それもそのはずで、このバウハウスこそ現在のモダンデザインの基礎になっているといわれている。
そういう歴史上に特出した有名すぎるデザインの数々を実際に見てみて感じたことは、正直言って、当時のオリジナルの家具等の展示なので作りの雑さやペンキの塗り直しによるムラなどが目立っていささかみすぼらしく感じられてしまった。
もちろんデザインの企みのとしての斬新さは現代でも十分通用する物が多いと思われた。
かといって、中には、こんな色彩構成を今提出したら、確実に赤をもらうだろうなぁという物もあったりするので、決して「バウハウス」だから諸手を挙げて素晴らしいというわけではないと個人的には思う。
ちなみに帰りに寄った池袋西武のILLUMSで現代の「商品」としての秀作デザインを見ると、モダンという基本は保ちつつ、より洗練されたRや色彩などを目にすることができ、やはりデザインは進歩し続けていると確信した次第である。
(しかもこちらはガラス越しではなく実際に手に取ることもできるし、なによりいつでも無料で気軽に観ることができるのである)
結局のところ良いデザインを見たいと望むならその気がありさえすれば機会は多いと思うのである。
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