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怖いもの

060219

昨日に続いて、子供の頃の思い出を。

幼少の頃、何が一番怖かったかというと、なんといっても「ピエロ」であろう。
仮面ライダーに出てくる怪人のたぐいは全然怖くなかった。
そんな有りもしない怪物よりも「ピエロ」の方がよっぽど怖かった。
ピエロと言えば道化者で、一般的には子供に慕われる存在なのだろう。
だからこそファーストフードのマクドナルドのメインキャラも「ピエロ」のドナルドなのだが、私にとってはあのドナルドですら薄気味悪い存在に映ってしまう。
遊園地でよく見かける極彩色で彩られたピエロの装飾にもフレンドリーとはかけ離れた、どこか空恐ろしいイメージを持っていた。
なぜピエロが怖くなったのかと言われれば、決定的な理由はわからないが、たぶん江戸川乱歩とかその辺の世界観で不気味なイメージを刷り込まれたのだろうと思う。

この辺の感覚はなかなか伝わらないものだが、一番私のピエロに対する恐怖のイメージに近いものが具体的に映像化された物として、スティーブン・キング原作の「IT(イット) 」がある。
これをご覧になっていただければ、たぶんこの恐怖感のようなものを理解してもらえると思う。
この作品を成人してから鑑賞して幼少に受けたトラウマ的な怖さが蘇ってきた。

幼少の頃、真夜中にふと目が覚めて、みんなが寝静まっているときに、外で車が通る音がすると、決まって、ピエロがマツダの自動三輪 に乗ってやってきて私をさらってゆく妄想に怯えていた。

なぜマツダの自動三輪なのかはイマイチ説明が難しい。
しかし、ピエロの乗るそれはマツダの自動三輪でしかも色はベージュと決まっていた。
自動三輪が家の前に止まり、玄関の扉が開いてピエロが私を寝床からさらってゆくのである。
私は恐怖のあまり声も出ずに家族の者は決して目を覚まさない。
ピエロとマツダの自動三輪、それに笑い袋のような甲高い笑い、このコラボは想像するだけで恐ろしい。

だから、いがらしみきおの漫画「ぼのぼの」に出てくる「しまっちゃうおじさん 」を、ぼのぼのがあれほど怖がるのも痛いほどよく理解できるのである。

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