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福袋

 昨日のニュースで、デパートの初売りの様子が流れていた。
 人気は福袋だという。景気回復を反映してか、1万円クラスのものが一番売れるらしい。
 自分の好きなブランドで、内容も福袋の値段のおよそ4~5倍のものが入っているのだろう。
 並んでいる人の先頭は大晦日の夕方5時から並び始めたという。
 見ながらとても自分にはできないなあと感心した。

 いくら好きなブランド物でお買い得とはいえ、やはり好みのデザイン・色・質感・大きさがある。
 袋を開けてサイズは合うとして、色やデザインがいまいち気に入らなかったりしたらどうするのだろうか?
 我慢して使うか、人に差し上げてしまうのだろうか?
 ただ、自分で気に入らない物を人に贈る気にもなれないので、中身のわからない物にたとえ1000円でも出したくはない。

 通販でも同じである。消耗品やすぐに買い換えの利く物ならいざ知らず、しばらく手元に置いて使う物に関しては実際に手に取って確かめてみなければ購入する気にはなれない。
 サイトの写真で見るよりも実際は大きかったり、細部の作り込みが甘かったり、店頭で実際に触れてみてイメージが違うことはよくある。
 実は買う気満々で店頭で手にして、作り込みや質感に納得できず、購入には至らないケースも多い。
 実物を見てもし気に入ったら、その後に、サイトで一番安い店を探して、そこで実際に購入するというケースがほとんどだ。
 要するにケチなのである。

 ただし、これらの好みは長年の経験や試行錯誤から真剣に吟味して得られた物とはいえ、あまりにも限定的な好みを持つことは他への非寛容にもつながりかねないので、十分に注意が必要だとは思っている。
 限定的な好みの主張は社会生活を送る上でしばしば角が立つ物である。
 手頃なワインで楽しめている相手に、そんなものは邪道だと言ってヴィンテージワインの味云々を語るのは野暮であり無粋であろう。
 結局、福袋に入っている物を選り好みせずに素直に使うことができれば、それはそれで幸せなことなのかもしれない。

 中身のことはさておき、大晦日から並び始めたお父さんは子供のブランド服の福袋を買うためだという。
 5~7歳くらいの自分の娘の喜ぶ顔を見るために一生懸命だったのだろう。
 (実際に購入後、福袋を開ける娘2人の姿が写されていたがとても喜んでいた。良かったですね。)
 でも、5歳の大晦日からお正月は5歳にしか味わえないと思う。
 普段ならまだしも新年を迎える晴れがましい日にデパートの外で1日半も待つ気持ちには私にはどうしてもなれない。
 その分、子供と一緒に楽しく新年を迎えた方がよほど良い思い出になる気がするが、所詮価値観の問題なので私がとやかく言うことではない。

 結局、人気の福袋は一日で売り切れ、デパートはその日だけで18億円の売り上げが見込めるというのだから、これからも続いてゆくことなのだろう。

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