私は一月に一回くらいの割合で脱皮する。
それは精神的な「一皮むけた」という意味合いでも、他の何かの譬喩表現でもない。読んで字のごとく「脱皮」するのである。
そりゃあ、月一回の割合で精神的に一皮剥けていたら、今頃、私は凄い人格者になってますよ。
前回は大晦日の夜に新年に向けて「脱皮」し、そして今日「脱皮」したので正確には20日ぐらいの割合だろう。
朝起きて、体が重かったり、ちょっとムズムズし始めたら、そろそろ脱皮の時期である。
忙しくて仕事が詰まりきっているときなどは、時期を感じても残念ながら「脱皮」はできない。
どうしても仕事が乗らなかったり、アイデアが浮かばない時に仕方なく「脱皮」して気分を変えることはあっても、どちらかというと大きな仕事が終わって、「さて、ひと休みするか」といった頃が脱皮に適した時期なのである。
ちょうどひと仕事終わって、PCのHDDを整理したりデフラグをメンテナンスすることや、料理人が一仕事終わって刃物を研ぐのと同様、身体もメンテナンスして次の仕事にスタンバれる状態にしておく。
人によって差があると思うが脱皮にはおよそ3~4時間くらいかかる。
やり方は実に簡単だ。
3~4時間くらいお風呂桶に浸かって、時々出て、ヘチマたわしでこれでもかというくらい擦るのである。
「なんだ、アカスリか」と言われるかと思うが、体中の老廃物を削り落として、中身はともかく表面は新品同様になるのだからこれは紛れもなく「脱皮」だと思う。
血行も良く身体も軽くなって、動きも俊敏になる。
「そんな、ドラえもんのしずかちゃんがあるまいし、忙しくて3時間も4時間もお風呂に浸かっていられないよ」とおっしゃる方には「簡易脱皮」をお奨めしたい。
これは両足を長時間お湯に浸けて「足だけ脱皮」するというものである。
足は第二の心臓と言われ、大事な箇所である。その足だけでも脱皮をするだけでも効果がある。
フットバス等の保温機能やバブル機能を装備した高価なものが理想的だが、両足が浸かるくらいの大きなバケツに適温のお湯を入れて長時間暖めるだけでも十分である。
冷めたらお湯がつぎ足せるように、やかんにお湯を仕掛けておく。
こぼれたお湯でフローリングが濡れないようにバケツの下にマットを敷くことと、お湯足しなどで中断するときに足を拭いて歩き回れるよう、身近にバスタオルを用意しておく。
この状態で椅子に座りながらPCで仕事をしたり映画を見たり、あっという間に2~3時間くらいは経ってしまう。
その間にも足がムズムズしてふやけてくれば、普段、シャワーなどでサッと洗っただけではけっして取ることのできない角質がふやけてこそぎ落とせる状態になる。
角質をこそぎ落としてみると、それまで自分の身の一部の皮膚だと思っていたものが、実はすでに自分の身を離れて身体の動きを妨げる足かせであったことがよく解る。
この分厚い角質を取ると足は柔らかく驚くほど軽くなる。血行も良くなり、足先が暖まりやすくなる。
前のエントリにも書いたが、半端でない冷え性の私が言うのだから間違いはない。
さらに全身脱皮をすると、五感が優れてくる。
血行が良くなるせいか、臭いや味に対するの感覚も研ぎ澄まされてくる。
脱皮後の一杯がまたおいしいのだ。
頭の回転も早くなり、全体的に1.5倍くらい(当社比)の性能が上がる感覚だ。
普段から30分くらいは湯船に浸かっているので、体が温まって血行が良くなると、色々なアイデアが浮かんできて、すぐにでも出たくなるのはこのためだろう。
ただし締め切り間際に「脱皮」をしていて締め切りに遅れては何にもならないので、普段の身体のメンテナンスとして冷え性の方はもちろん最近疲れ気味で怠さを感じるという方にも是非お奨めである。
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