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腹痛 – 遠ざかる意識の果てに

今朝はひどい腹痛にみまわれた。
生まれて初めて、意識が遠くなるほどの腹痛だった。

時間的に考えて原因はたぶん、朝食の生卵だと思われる。
もちろん、賞味期限内のモノだったし、日曜日に買ってきたばかりである。
近所にできた新しい大型スーパーだったので、正直、品物については分からなかった。

通勤途中の電車に乗っている時からキリキリと腹が痛み出し、新宿駅を降りて、あとは自転車に乗って転がってゆけば、会社に着くからそれからトイレに行こうと思っていた。
だけど、駅を出た時点で、もう立っていられなくなるほどだった。

腹痛には潮の満ち引きのように波があるので、ひどくなるとその場に座り込んで、少し治まるとまた進むという風にしてやっと200メートルほど進んだ。

しかし波のような腹痛の先に、さらに大きな波が近づきつつあることが、体の方でなんとなく感じていたようで、出勤時間に合わす望みはまず捨てて、近くのマクドナルドにトイレを借りに駆け込んだ。

2Fに客席があり、トイレもそこにある。
階段を上る途中で意識が飛んでゆく感覚に襲われた。
幸い倒れ込むことはなかったけど、本当に危うかった。
意識が飛ぶとは、ドラマなんかでは風景が白くなる描写で表現されているが、感覚的には近いけど、別に風景が白くなるわけではない。

実際は風景は目に映っているのだが、それらの意味することを理解するまで少し時間のズレが生じる。

普段、生活しているときに物を見るのと同時に無意識で色々と頭で処理をしている。
その処理が停止してしまうので、目に映るけど、そこからその意味をすることに理解がしにくくなる。

この後の行動でも、トイレを見た→トイレを認識、 男子マークを見た→男子トイレであることを確認 という処理の流れが無意識的に同時処理できなくなり、見たことに対して意識して認識するまでの時間のズレがあり、さらに次のことの予測処理をすることができず1タスクごとに結果を確認しながら進んでゆくしかできなくなる。

これはコンピュータで言えば普段はマルチタスクで動いているけど、強制的に太古のシングルタスク処理にされてしまった感じである。

白い意識のまま、トイレを確認して、男子トイレに入り、便座の前に立つ。
そこでまた意識が飛びそうになるけど、えぇっとまずはドアを閉めて、鍵をかけて、ベルトを外して…
と一つ一つ確認しながら行うことでなんとか意識は保てた。

あとはもぉ、とにかく脂汗である、全身から、よくもまぁこんなに汗がしどどに流れ落ちるものだと自分でも感心するくらい、汗が出た。

この辺、いくら文章で細かく描写しても体験しなければ理解はできないだろうし、おそらく伝わらないだろう。

想像だけど、体に悪影響を及ぼすものが体内に入ると、腹痛などの警告とともに汗などで全身から一気に吐き出す作りになっているらしい。

普通に痛んでいる程度の毒ならば、一応体内で処理して、しかるべき時に吐き出す余裕があるようだけど、今回のような緊急に身体に悪影響を及ぼす場合は、体の方で慌てて一気に吐き出す処理をしているようだ。

これは、ある種の蛙が虻などの有害な虫や毒を飲み込んでしまったときに口から胃袋を裏返しにして吐き出し、さらに手で丁寧にぬぐって綺麗にするのに近い感じである。

悪いモノは汗などで一気に吐き出したので、だいぶスッキリしたのだけど、それにかかる体力の消耗の方が激しく、出社後もちょっと放心気味。

まぁ、食べ物には気をつけましょう。

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