銀行のオンラインバンキングを利用して、UFJが三菱東京UFJ銀行という長ったらしい名前になっていることに気づいた。
ここ十年の間に次々統合されて元の銀行名にとまどう。
最初口座を持っていたのが、三井銀行だったと記憶しているが、それが太陽神戸三井銀行という長ったらしい物に変わり、それからさくら銀行とあっさりして、今は三井住友銀行である。
勤めていたときに定期預金口座を開いた富士銀行は今は何になってしまったのだろうか?
こないだ書類の整理していて、ふと昔の通帳を見つけ、駅前のATMの集まっている場所でキョロキョロ探してみたが解らない。
あまりキョロキョロしているとカメラの設置場所でも探している不振人物にも見られかねないので、意を決してこちらを見ている守衛さんに声をかけてみた。
「えぇっと、富士銀行は何になったんでしょうかねぇ?」
「えっ!? 富士銀行・・・う~ん、憶えていないなぁ」
私と守衛さんの会話ですらこうである。
これがもし、老い先の短い身寄りのない老人がタンスの引き出しから富士銀行の定期預金通帳を「発掘」したとしたらどうだろう?
「あのぉ、富士銀行はどこですかのぉ?」
「富士銀行は無くなりました。」
「無くなっちゃったんじゃしょうがないねぇ・・・」
と、トボトボと家路につくことになりはしないか?
もしかしたら、それこそ銀行の思うつぼなのかも知れない。