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GR DIGITAL II

先日GRの生産中止が発表されて、店頭から姿を隠し、フラッグシップモデルがGX100しかないとういう寂しい日々ですが、皆さん如何お過ごしですか?

071031.jpg

そのGRモデルチェンジ版が今日発表されました。
http://www.ricoh.co.jp/dc/gr/digital2/

まえまえから、噂には出ていて、今か今かと思って、しばらく調べていたのだけど、埒があかず、ちょっと気を抜いたスキを狙い定めたような今回の発表、
スカイは友人からのメールが来るまで気付きませんでした・・・orz

で、教えられたURLを辿って出てきた画像に、「あぁ、やっぱり外見はまったくと言っていいほど変えないのね」と納得した。
GR自体もともと、ホールディングするためにかなり練り込まれた形だっただけに、大きな変更点はないのである。
他社だといい加減? に作って、新リリース時のインパクトを強めるためにわざと形を変えてくる。
逆に過去の自社製品に対する自信のなさの表われだと思うのである。

撮影素子は1/1.8インチCCDから1/1.75CCDに若干サイズアップされた。
画素子も800万画素から1000万画素へ
この辺は現在普及している中で順当なパーツを選択して使っているのだろう。
まえのGRがリリースされたときにRICHOの中の人に聞いた話では、おそらく現在のCCD方式ではこのボディサイズではこれが限界だろうから、あとは撮影素子自体に技術的なブレークスルーが無い限りこれ以上は大きく望めないとのことだった。
なので、おそらくCCD方式を使った最後のモデルになるだろうから買っておいた方がいいよ。と私に話してくれた。
あれから2年、撮影素子のブレークスルーがないまま、相変わらずCCDを採用しているので、画質や撮影素子の面では前とあまり変えようがないのだろう。

その他、裏面操作系でジョグダイアルからADJレバーに替わった。
ダイヤルのようにクルクル回せないが、左右に傾けることで操作ができる。
これはジョグダイアルがまだSONYの特許のためダイアルのクリックボタンで操作することができなかったことへのRICOHなりの工夫である。
GX100から採用されていたのでいわば後追い搭載である。

個人的に気になるところはRAWデータの書き込みである。
現状だと1枚撮った後に10秒ほど書き込み時間がかかる。
もっと速いSDカードを使うことによって8秒くらいに抑えられると聞くが、それでもやはり遅い。
個人的には3秒が限界と思うけど、今回1000万画素になったことで、データ量が増えて、おそらく、せっかく速度アップしても相殺されてしまわないかと心配である。

これもRICOHの中の人に聞いた話だけど、SDメモリカードへの書き込み速度は電圧を上げてやることで、アップできるらしい。
しかしGRはプロの使用に耐えるよう、リチウム電池が切れても単4型汎用電池があればとりあえず動く。
現在の書き込み電圧はこの単4電池使用の条件でかなり押さえられた設計になっている。
それも、本体側でリチウム使用か単4電池使用かを判断して2通りの書き込み電圧にすればいいのではと相談したことがある。
これが反映されていれば嬉しいんだけど。

あと大きなところでは 低ノイズの追求。進化した画像エンジン「GR ENGINE II」とある。
これは中で現像時にRAWからJPEGに変換するときに使う物だろうから、RAWで撮ってあとはLightRoomなどの外で現像する使い方ではあまりメリットはないかも。

全体的にこの2年での技術進歩を取り入れたマイナーバージョンアップといえる。
細かい改良点が随所に見られる。
GR自体が未だに人気がある中で2年の月日が経ってしまったことへのRICOHなりの真面目で正直な回答であろう。

2年前に一生懸命完成度の高い製品を世に送ったが、未だに需要がある。
その割には予想していたような撮影素子を含めた大きな技術革新がないまま2年が過ぎてしまった。
あまり技術進歩がないので大きな変更できずに申し訳ないけど、現時点でベストを尽くしましたという姿勢が垣間見られる。
他社の多くが広角時の画面端の歪みをデジタルで修正でごまかしたり、ノイズを塗り絵のように潰すことで処理しているのに対して、あくまでも光学的に歪みの起きにくい正しいレンズと多少のノイズが乗っても正直に絵にする。
そういう点でRICOHには正直で素直な印象なのである。
またそういう点が知っている人から指示されているゆえんなのだろう。

これが他社だとブレークスルーがないのに、”いらない機能”をさも有用そうに名前を変えて大々的に売り出す。
本質に関わるような技術革新なんてそんな半年に一度のリリース時に都合良く行われる訳がない。
この辺、2年も隔てたGRの変化の度合いを見れば良く解る。

一方で最近はやりの手ぶれ補正などもつけないある意味尖った特徴はそのまま継承している。
RICOHは真面目で素直と同時に頑固なのである。

現在GRをすでに持っている私としては、画質的にあまり変化が見られないと思うので今回は見送る可能性が高いけど(驚愕的なRAWデータの書き込み速度とかLightRoomが足元にも及ばないくらいの画像エンジンGR ENGINE IIなどなら話は別だけど…)
これから新規にGRを買う人にはとてもお勧めできる製品といえる。

かつてウルライカをリリースしたLeica社はその後数十年にわたってほとんど外見を変えることなく、バルナック型をIIIf(IIIgという説もあり)まで完成度を上げていった。
その後本当に大きな技術革新が起こり現在のレンジファインダ元祖のM3になるわけだけど、
RICOHのGRにも同様の地道な改良を続けていって欲しいと心から願うのである。

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