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IBMがDNAオリガミ手法を用いた半導体を開発中

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ムーアの法則が誕生したのは1965年。そろそろ限界だろうと言われ続けながら、いまもチップメーカーは半導体の集積化・高速化に取り組み続け ています。 そうやってIBMが辿り着いた先が、いわゆるナノテク。同社リサーチマネージャーのSpike Narayan氏いわく「半導体の製造に生体分子を利用したはじめての実証」が専門誌Nature Nanotechnologyに掲載されています。

半 導体の開発にDNA構造を用いるこの手法はDNAオリガミと呼ばれており、同社のアルマデン研究所とカリフォルニア工科大学が共同で開発中。「DNAのよ うな生物学的構造は反復的で再現が可能なパターンを持つため、半導体設計に活用できる」とNarayan氏はコメントしています。問題はスケールが小さく なるほど高くなる設備投資費用。残念ながら製品化までにはまだまだ実験が必要で、少なくともあと十年はかかるとのことです。折り紙の大作はインターネット 上にたくさんありますが、さすがにDNAレベルでは初でしょうか。ムーアの法則はいつまで生き続けるのでしょう。

 テクノロジーが進化する先は微細化と細分化とそれに伴う大量化あるとは思っていたが、まさかDNAレベルにまで話が及ぼうとしていることは感慨深い。

 デザインの世界でもよく使われる「神は細部に宿り給う」という言葉があり、このまま細分化が進んでゆけば、まさに “何かが宿る” そんな気すらしてくる。

 昔、星新一のショートショートで読んだ次のような物語を想い出す。

 ある大企業の社長が研究所の博士に「費用は幾ら掛かってもいいから “神” を造ってほしい」との依頼があった。
博士は大型コンピュータを導入して、そこに世界中のありとあらゆる聖書や神話や寓話、果てはゴスペルから言い伝えのたぐいまでをインプットしていった。
 作業は膨大な量に上り、すべてをインプットするにはかなりの日数を要して、なお終わらずにいた。
ある時期からそのコンピュータは神々しく輝きを放つようになり、動作音も厳かに威厳のあるものに変化していった。
 依頼した社長はその経緯を見て大変満足し、その後も作業を進めるように博士に頼んだ。
ところが、それから間もなく、ある事件が起こる。

 あとは読んでみてのお楽しみだが、たしか小学校時代に読んだだけなので題名も、どの本に収まっていたかも憶えていない。
 ただ物語のインパクトから、”コンピュータって凄い” というその後の興味のきっかけになっただけに未だに内容は鮮明に憶えている。

 物の細分化の行き着く先は、まさに「その物になる」のでは? と思わせる一節。

 PS.
 考えてみたら、Googleはまさに上の物語のような事を地で行こうとしている。
 そして自ら「神」になると公言して憚らないのである。

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