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iPhoneアプリケーションスタイルの定義

まず、iPhoneプラットフォームを既存のシステムとの相違点から明らかにする。

その上でその特徴を活かすためのアプリケーションスタイルを定義する。

その定義には以下の4点が挙げられる。

1.ユーザがアプリケーションを使用する動機

2.どのようなユーザー体験をさせるか?

3.アプリの目的あるいは焦点は?

4.アプリの情報をどのように表示すべきか?

1.アプリケーションを使用する動機には以下の3つに分けられる。

1-1.生産性型(メールなど)

1-2.ユーティリティ型(天気情報など)

1-3.没入型(ゲームやごく単純な情報提示を行う物(水準器など)

この動機に基づいて

それぞれのアプリケーションの典型とそのための画面展開、設定機能の提供方法などを整理する。

既存のアプリケーションが存在する場合、iPhoneプラットフォームへの移植には、そのアプリケーションが持つ機能の全てではなく、そのアプリケーションが果たすべき中心的な役割を洗い出し、その機能をいかにシンプルに再構成すべきかに注意をする。

たとえばiPhoneに標準で搭載されるメールや写真アプリにはPCによく見られるような3ペインスタイルを用いず、iPhoneのちいさな画面で効率的に使用できるようによくよく検討された中心的な機能のみが実装されている。

具体的にiPhoneプラットフォームには以下の点で注意が必要である。

1. 小さな画面サイズ

ディスプレイ : 3.5インチ(320 x 480) ピクセル解像度 163ppiというサイズのため必要不可欠ではない設計要素を含める余裕はない。

ユーザインターフェイス要素が多すぎると、煩雑になり、操作がしづらくなる原因となる。

2.少ないメモリ容量

わずか128MBという少ないメモリ容量のため、アプリケーションを設計する際には、メモリリークを解消すること、リソースファイルを可能な限り小さくすること、およびリソースの読み込みを遅らせることなどで、アプリケーションのメモリ使用量を軽減するように努める。

3. 1度に1画面の表示

モーダルビューの一部を例外として、ユーザがiPhone OSベースのデバイス上で目にするアプリケーション画面は、一度に1つである。

4. 同時に実行するアプリケションは1つ

音楽再生を例外とし、同時に実行できるiPhoneアプリケーションは1つである。

ユーザが別のアプリケーションに切り替えたり、電話に出たり、電子メールをチェックしたりすると、それまで使用していたアプリケーションは終了される。

複数のアプリケーションを切り替え(終了・別アプリの起動の繰り返し)をスムーズに行うために、アプリケーションの起動時間を最小限まで短縮する。

5.最小限のユーザヘルプ。

通常、モバイルユーザは、アプリケーションを使用するために、マニュアルやヘルプを長時間読むようなことはしない。

また、ヘルプデータを保存するために限られた容量を使用することも薦められない。

iPhoneアプリケーションの設計には使用方法がすぐに習得できるよう心がける。

そのためには、

1.標準のコントローラーを正しく使用して設計する。

2.アプリケーションを通して表示する情報の流れをユーザが予測しやすい物にする。また、戻るボタンなどを用いてユーザの現在の位置を把握しやすく、取り返しが容易にできるよう心がける。

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