お外に持ち歩きマシンに軽いMacOSが動くマシンが欲しかった。
PowerBookG4を復活させたものの、華奢ではかないチタンボディとその割に重い重量には常に持ち歩きには神経を使わされる。
とかいってMacBookAirは高価なのである。
そこで、通称「貧者のMacBookAir」を作ることにした。
素材はDELL Inspiron Mini 9 。
いわゆるネットブックというやつである。
ただ、1035gの軽量さに加え、2GBのメモリ、SSD採用、ファンレス、LED液晶と最新の技術がバランスよく収まっている。
しかも価格が安い。ちょうどキャンペーン中で安くかったので思わず注文した後さらに安いアウトレット品が出ていたので、そちらに変更した。
構成は、2GBメモリ、32GBSSD、英語配列キーボード、Ubuntuモデルそして何より色がチェリーレッドと申し分ない内容だった。
まぁキャンペーン品はSSDが64GBと大きめなのだが、そのうち128GBの大容量のものが安価で出回るはずであるから、その時点で取り替えればいいと思う。
そもそも、ネットブックには軽い作業しかさせないので、32GBもあればとりあえずは間に合うのである。
念のため、8GBのマイクロSDと付けたままでもほとんど出っ張らないUSBアダプタを別途に用意したので、データが増えたらそこに移動すればよい。
さて、OSXのインストールである。
通常は別途USB接続のDVDドライブを用意するところだが、USBメモリを使ってのインストールも可能なのでそちらを選択することにする。
USBメモリは2つ用意する。
1つめはBIOS書き換えのためのLinuxが走る小容量のもの
2つめはMacOSX LeopardのリテールDVDが丸ごと収まる大容量のもの
まず、1つめの2GBUSBメモリーでLinuxブートに作成。
これはWindowsを用いる。
フォーマット形式はFAT32で行う。
つぎにネットからSyslinux-3.72.zipをダウンロード。
これはUSBで走るLinuxのファイルである。
ダウンロードしたzipファイルを解凍。
解凍したフォルダをCドライブ直下に置き、名前をsyslinuxに書き換える。
その中のwin32ディレクトリにsyslinux.exeという実行ファイルがあるのを確認。
Windowsのスタートメニューから “ファイル名を指定して実行”というコマンドを選択。
“c:\syslinux\win32\syslinux -ma e:”と入力し”OK”
前半のc:\syslinux\win32\syslinux はCドライブ直下に置いて先ほど確認したexeファイルを名前で
-ma はオプションコマンド
最後の e: はUSBメモリーのディレクトリを指す。
私の場合eドライブだったが、人によっては f だったりと違う場合があるので「マイコンピュータ」で確認する。
これで、USBメモリー内にWindowsからは見えない「syslinux.exe」という1個のファイルが作られる。
ここからは普通にMac環境で作業できる。
USBメモリをMacのデスクトップにマウントして、ネットから最新のBIOS書き換え環境をダウンロード。
現時点では DellMiniBoot123v8.01.iso.zip が作成日2月2日の日付で最新なので迷わずコレを選ぶ。
何でも、この環境も日進月歩らしく、今ではほとんど不具合なく動くという。
ダウンロードしたZipを解凍して、その内容のすべてを先ほど作ったUSBメモリーへコピーする。(ただしsyslinux.exeは上書きしない。もっともファイルにロックがかかっているのでロックを外さないと上書きできないようになっている。)
これでUSBメモリから起動できるBIOS書き換え環境ができた。
2つめMacOSX LeopardインストールUSBメモリーの作成。
これは簡単である。
MacOSX Leopard DVDディスクからディスクユーティリティを使用してディスクイメージの作成。
メニューの「復元」コマンドで復元元にそのイメージファイルを選び、復元先をUSBメモリーに選択する。
7GB超えのファイルなので、これには少々時間がかかるが、無事に検証も終わって、MacOSXインストール起動可能なUSBメモリーが出来上がる。
ちなみにこれは普通のMacでも使えるので光学ディスクドライブのないMacBookAirなどでも使えるだろう。
さて、これで仕込みはOKである。
DELL Inspiron Mini 9は小さなボディにもかかわらず、USBポートが左右に3つ備えている。
左側にLinux起動用のUSBメモリーを差し込み、右側にMacOSX起動用のUSBメモリを差し込む。
DELLノートの電源スイッチを入れる。
起動中、DELLのロゴが表示されている間に
0キーを押すとオプション起動ドライブの選択画面「Boot Menu」が表示される。
その上から2つめの「USB Storage」をアローキーで選択
Enterキーを押すと、1つめのUSBメモリーから起動が始まる。
プロンプトが現れて、インストールディスクの入っているドライブのIDを聞かれる。
たぶんここで通常にDVDからインストールならば 9f と入れるところだが、USBメモリーのIDは違うので、その時点でEscキーを押して、有効なドライブIDを確認する。
私の場合は81だった。
81入力しリターンを押すと、ドライブ名である「MacOSX install DVD」と名前が表示されるので安心してさらにリターン。
再起動して2つめのUSBメモリーからMacOSXのインストール環境で起動する。
あとは通常のMac機器のインストールと同じ手順で良いのだが、一つだけ中がある。
インストールの前にディスクユーティリティを起動し、標準で2つに分けられているパーティションを1つに設定。
次にパーティションイメージ画面の下にある「オプション…」ボタンをクリック。
3つのラジオボタン選択の一番上 「GUIDパーティションテーブル」を選択。
フォーマット形式はMacOSX拡張フォーマット(ジャーナリング)形式でフォーマットする。
ディスクユーティリティを終了し、通常にMaxOSXをインストール。
ただ、非力なマシンなのでなるべくオプションは外すようにした方がよい。
他国言語を外し、プリンタドライバーを外し、X11を外してインストール。
結構な時間がかかって、インストール終了。
噂ではここでインストールに失敗しましたとのメッセージが出るはずなのだけど、現バージョンでは成功したと表示された。
再起動ボタンで再起動。
起動できないので、ここでまた、0キー起動でUSBメモリからの起動を選択。
LinuxBIOS書き換え環境からの起動になるので、ここでもう一度起動ドライブのIDを選ぶ。
結果から言うと、なぜか内蔵SSDの番号も81だった。
81と入力して再起動。
この次はちゃんと内蔵SSDからインストールされたMacOSX環境で起動できた。
ただし、起動直後ではまだこのmini9のハードに会わせた環境になっていないので、実際は1024×600の解像度なのに800×600と判断されて横長に表示される。
1つめのリナックスのUSBメモリー内にあるDELLMini9Utils / DellEFIを起動するとこのハードに合わせた設定環境がインストールされる。
インストール後再起動すると、今度はちゃんと1024×600の解像度で表示されるようになった。
後は普通にMac環境を整えればOK。
無線マウスをつなげても快適に動くし、マックのコマンドキーはウィンドウズキーではなくてAltキーに割り当てられている。これはコマンドキーがスペースキーの隣という位置関係を重視したみたい。表示と違うもののこっちの方が使いやすい。ウィンドウズキーはOptになる。
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