●タイプ
十中八九、知り合った女性から聞かれる質問がある。
「SKY(仮名)さんはどんな人がタイプなの?」
話ののっけから女性にその手の質問をする男は周りに見たことがので、これは女性にとって挨拶代わりのような物なのかもしれない。
もしかしたら、女性の中でのデーターベースの共通フォーマットにこの「タイプ」という項目が重要な位置を占めているのではないかとも考えてしまう。
女性同士の会話で
「○○さんは萌え系の清楚科よ」とか、「××さんはワイルド系のロリ科だったのよぉショックだわ」とか普通に交わされているのかもしれない。
何度も聞かれる質問ながら、私はハッキリと「これ」と説明できる物はなかった。
外見やら仕草やらから説明してもどうもありきたりの回答しか出せずにうやむやで自分としても納得がいかなかった。
5~6年ほど前であろう、同じような質問をされて、何とか正確に答えようと苦慮したのだけど、それでもこれと言って明示できる物が見つからなくてしばらく考えていると
「じゃあ芸能人でこう言うのがタイプという人がいれば」と助け船を出してくれた。
それなら楽なので、日頃好ましいと思える何人かの人を上げてみた。
上げたところで自分自身、この人達の共通点も解らずにこういう感じって漠然とした物だった。
ところが、さすが女性である。
言った本人ですら共通点が解らず苦慮しているのに、すぐさま、たった一言
「結局、SKY(仮名)さんは裏のない女の人が好きなのね」
と言われたのだ。
この一言で私は目から鱗が落ちる思いがして驚愕した経験がある。
それ以来好きなタイプを聞かれると
「裏表のない(なさそうな)人が好きです。」とハッキリ答えられるようになった。
昔から好き嫌いは激しい方で、嫌いな物にはテコでも動かない。
親もそんな私の頑固さにはほとほと手を焼いたようである。
物事についても好き嫌いがハッキリしていて、嫌いなものは身の回りに置かないし、不本意な嫌いな仕事をやらなくてはならないときは体が拒否反応すら起こす。
人物に対しても同様である。
世辞の一言でも言えれば良いのだろうが、思ってもみないことは口に出せないし、嫌いな相手と一緒にいるのさえ苦痛でたまらない。
我ながら損な性格だとは思うが、逆に裏表を使い分けてのうのうと渡ってゆくタイプに私は嫌悪感を感じてしまう。
一緒にいるときには、相手の悪口を口汚くののしる割には、いざ話題の本人の目も前にすると、普通に会話したり、お世辞を言ったりすらする人がいる。
社交上挨拶くらいは仕方がないにしても、世辞まで言うことはないだろうと、その嫌いな相手の嫌な部分が世辞を言う側にまで伝染してくるようで一気に冷めてしまう。
逆に、社会的に不器用でも正直な態度が取れる人には、惚れもするし、出来うる限りの応援もしたくなる。
昔、仕事で直属の人を自らが選べる人事権のような物を持っていたとき、自分を売り込んでくる何人かの人がいたが、それらは全て外した。
経験上、そういう人に任せても口ばかりで仕事の内容が甘かったり荒い事が多かったからだ。
どちらかというと寡黙で目立たないそれでいてコツコツ物事をやってゆく人にお願いした。
おかげで極めて潤滑に回して行けたと思う。
ただし、これは私の部署の問題で、営業など所によっては社交的なタイプが良いこともある。
要は適材適所なのだろう。