●鉄板のスキレット
すでに数ヶ月経過した昨年の11月のことだが、新たにフライパンを買った。
フライパンと言ってもスキレットと呼ばれる3.2mm厚の黒皮鋼板で作られたとても重い物である。
専用のこれまた重い蓋を被せてダッチオーブンにまたは、気密性が高いので無水料理も可能な万能鍋に近いスキレットである。

何で今さらこんな重いスキレットを買ったかというと以下のような紆余曲折がある。
20代はじめに、一人暮らしを始めたときに、大きめの鉄製中華鍋を一つを購入して以来、ずっとこれ一つで料理はしてきた。
これ一つで焼き物、炒め物、煮物、揚げ物何でもこなした。
ところがこの中華鍋は当時ときどき料理をしてくれる人にはすこぶる不評だった。

まずは重い。
次に焦げ付きやすい。
アルミ+テフロン加工した軽く焦げ付きにくいフライパンの方が良いと とは言っても私は十数年間、この鍋一つで調理もしてきたので、焦げ付くこともなく別に困らないと思っていた。
ところがこの17年間愛用してきた中華鍋は今の家に引っ越しの時、手伝ってもらった妹に、汚い鍋だからと、あっけなく捨てられてしまった。
後で聞いて愕然としたが、しかたなく新居用に新たにフライパンを求めなくてはならなかった。
その際に間が悪いことに以前に重い中華鍋が不評だったことを思い出されてしまった。
それならばと新しいフライパンはIHクッキングにも対応した複数層構造のピカピカしたアルミとテフロン加工されたフライパン、大・中・小・四角の4つセットを買ってみた。
ところが困ったことに、このピカピカしたアルミ外装のフライパンでは汚れが気になる。
以前の黒鋼の中華鍋なら別にもともと黒いから汚れも気にならなかったのだが、ピカピカアルミでは外側に焦げ付いたパスタソースなどが目立ち、そのたびに金タワシでこそぎ落とさなければならずとても面倒である。
それに加えてに、テフロン加工鍋で焼いた料理がいまいちで、餃子の皮もいまひとつパリっと焼き上がらないし、炒飯もパラパラにならず調理時間も以前と比べて長くかかる印象だった。
そうこうしているうちに忙しさのあまり、自宅で料理することもなくなり、フライパンはそのままあまり使わなくなってしまった。
だが、ここ最近、経費の節約と健康面から外食を控える反面、自宅で料理する機会も増えてた。
そこで、軟派なピカピカのアルミパンでは不満を感じることが多く、せっかくそろえたフルセットをもったいないと思いつつも、買い換えることにした。
どうせ独り身なんだからそこそこのサイズでしっかり手短に調理の出来る昔ながらのしっかりしたフライパンにしようと相成ったわけである。
このスキレット、重く、取っ手も熱くなるので、鍋つかみが必要と、そんじょそこらのヤワなフライパンではない。
重く、分厚いおかげで、全体的に均一に熱が行き渡り、分厚い蓋と合わせて高温が得られやすく調理も手短に済む。
だいたい調理に時間が長いものは苦手で(煮込みをのぞいて)毎日の食事なのだからより手数が少なく、手早く効果的に出来る物の方がよいと思っている。
さて、こういう鉄製のフライパンをおろすときには注意が必要である。
まずは全体を洗剤で洗う。
次に十分に空焼きをして、少し冷ましてから古い油を入れて再加熱。
冷やして油を捨てて、再度空焼き これを3度ほど繰り返す必要がある。
その後、ネギを炒めてみて具合を見つつ、初期の臭いを消す。
油もネギも、もったいないが、この先何年もお世話になるのだから、この最初の儀式はとても重要なのである。
その後数ヶ月使っているが、分厚い鉄板としっかり締まる蓋のおかげで、材料を入れても急激な温度低下にならず表面はカラッと中はシットリに仕上がる。
やはり熱量の効率的な保持は炒め料理にとって大きなポイントになるだろう。